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02月28日-04号

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  1. 奈良県議会 2023-02-28
    02月28日-04号


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    最終取得日: 2023-06-18
    令和 5年  2月 定例会(第353回)令和5年2月         第353回定例奈良県議会会議録 第4号               令和5年2月28日(火曜日)午後1時開議   --------------------------------    出席議員(40名)      1番 小村尚己        2番 樋口清士      3番 植村佳史        4番 浦西敦史      5番 山中益敏        6番 亀甲義明      7番 小林 誠        8番 階戸幸一      9番 川口延良       10番 疋田進一     11番 池田慎久       12番 乾 浩之     13番 大国正博       14番 太田 敦     15番 佐藤光紀       16番 清水 勉     17番 松本宗弘       18番 西川 均     19番 阪口 保       20番 井岡正徳     21番 田中惟允       22番 中野雅史     23番 山本進章       24番 奥山博康     25番 小林照代       26番 山村幸穂     27番 尾崎充典       28番 藤野良次     29番 和田恵治       30番 荻田義雄     31番  欠員        32番  欠員     33番 米田忠則       34番 出口武男     35番 岩田国夫       36番 小泉米造     37番 今井光子       38番 森山賀文     39番 田尻 匠       40番 粒谷友示     41番 秋本登志嗣      43番 川口正志    欠席議員(1名)     42番 中村 昭   --------------------------------    議事日程 一、就任挨拶(和田林公安委員) 一、当局に対する代表質問 一、当局に対する一般質問   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後6時まで延長します。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) この際、ご報告します。 地方自治法第121条の規定により、説明のため、議場に選挙管理委員会委員長の出席を求めました文書の写しを、お手元に配付しておりますので、ご了承願います。   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) 次に、さきの12月定例県議会において任命同意を与えました、和田林道宜公安委員のご挨拶があります。 ◎公安委員会委員(和田林道宜) 引き続き、公安委員をさせていただくことになりました和田林でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) ただいまより当局に対する代表質問を行います。 順位に従い、5番山中益敏議員に発言を許します。--5番山中益敏議員。(拍手) ◆5番(山中益敏) (登壇)皆さん、こんにちは。そして、奈良テレビをご覧の皆さん、こんにちは。奈良市・山辺郡選挙区選出の山中です。それでは、議長の許可をいただきましたので、公明党会派を代表して、通告しております数点について、荒井知事はじめ、関係理事者にお尋ねします。 今議会が、私にとって最後の質問となります。そのような機会を与えてくれた同僚議員に心より感謝いたします。 私は、平成27年4月の奈良県議会議員選挙において初当選をさせていただいてから、2期8年。県議会議員として、微力ではありますが、県勢発展に努めさせていただいてまいりました。これもひとえに、県民の多くの皆さんにご支援をいただいた、たまものと感謝申し上げます。また、議会において、荒井知事をはじめとする理事者の皆様にも、多くのご交誼を賜り、御礼を申し上げます。 特に、コロナ禍における3年間は、新型コロナウイルス感染症が拡大と収束を繰り返し、県民生活や本県経済に大きな影響を及ぼす中、感染拡大防止対策医療提供体制の確保、経済・雇用対策などに全力で取り組んできた3年間ではなかったかと思います。 振り返ると、公明党会派として13回にわたる、知事へのコロナ禍における緊急申入れをはじめ、提言を行ってまいりました。特に今年度は、コロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻、円安などにより、原油をはじめとしたエネルギーや食料品の価格が高騰しました。この状況は現在も続いていますが、公明党会派として、物価高から暮らしを守ることを念頭に提言を行いました。国における地方創生臨時交付金の創設も相まって、県による大きな多くの事業や、中小企業、公共交通、農畜産業など、様々な分野への支援策が実現したと自負しております。 今後も、小さな声を聞く力や、ネットワーク力を生かした政策実現力を発揮し、取り組んでいくことを決意し、質問に入らせていただきます。 まず、初めに、「地域デジタル社会の構築により県民の幸福な生活の実現と地域の持続的な発展を図る条例」について質問します。 新型コロナウイルス感染症が蔓延して、はや3年が経過しようとしております。感染拡大防止の観点から、緊急事態宣言の発令や、外出行動の抑制、密閉・密集・密接、三密を避けた行動が奨励されてきました。一方で、国民生活や経済活動維持の観点から、これまでデジタル化が進まなかった領域を含め、デジタル活用が広がることとなり、例えば、インターネットを使った手続や買物、そして、テレワークの導入や普及により、ウェブ会議を利用する機会が大幅に増えました。このように、デジタル化の波にうまく乗れることで生活が便利になったり、仕事の仕方に大きな変化が生じたりしました。 デジタルの活用は、直面する課題の解決にこそ有益と考えます。例えば、南部・東部の山間地域では高齢の方の世帯が多いですが、高齢者の見守りの方法としてデジタルをうまく活用することが考えられます。こうしたデジタル化が生活の中に浸透していく中で、デジタル化をうまく活用できる人や事業者がいる一方、そうではない方々が社会から取り残されてしまうデジタルデバイドや、情報セキュリティ個人情報保護などの問題が危惧されます。 こうしたデジタル技術の活用と、もたらされる影響や課題に対し、行政機関では、事務のやり方の変革と対応が求められています。 話は変わりますが、先日、県主催の初の奈良デジタルメッセが開催されましたので参加してまいりました。会場では、便利なデジタルツールや、これから発展していくデジタル分野が様々紹介されていました。県内の事業者だけでなく、県や市町村の職員も多く来場されていたのが印象的で、身近なところでの今後の開催に期待をします。このように、最新のデジタル技術をうまく有効に活用することは大変重要です。 県民の生活を豊かにするために、民間企業だけでなく、行政においても、デジタルを活用して、安全かつ簡単に利用できるシステムの整備をはじめとした、デジタルを利用しやすい環境づくりなど、誰もが恩恵を受けられるように取り組んでいく必要があると考えます。 特に、行政におけるマイナンバーカードの利活用は、本人確認をはじめ、健康保険証各種行政手続など、幅広く今後も利活用場面は拡大されるものと期待しております。奈良県におけるマイナンバーカードの交付率は、2023年1月末現在、64.1%と、全国第7位と高いため、マイナンバーカードを活用した行政サービスの向上についても進める必要があります。 県では、今議会において、新たにデジタル化を進めるための条例を提案されています。この条例の制定と、それに基づく具体的な取組を進めていくことで、どのように県民の幸福な生活の実現と地域の持続的な発展を図っていかれるのでしょうか。 そこで、知事にお尋ねいたします。 「地域デジタル社会の構築により県民の幸福な生活の実現と地域の持続的な発展を図る条例」について、どのような地域デジタル社会の構築を目指そうとしているのか、そのビジョンをお聞かせください。 次に、奈良県文化会館の整備について知事にお伺いします。 2001年に制定された文化芸術基本法の第1条の目的において、「文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることに鑑み」とあります。このように、文化芸術には人の心を癒やし、人の心を豊かにし、そして、人と人とを結ぶ力があるように思います。長引くコロナ禍を経て、その価値は一段と増しており、地域における文化芸術活動の充実をはじめ、本県では、これまでゴールデンウイーク明けの風物詩として開催してきたムジークフェストならを、年間通して、ムジークフェストなら2023として開催されます。また、奈良県みんなで楽しむ大芸術祭として一本化した形で開催するなど、文化振興に積極的に取り組んでいただいています。 特に、本会議でも取り上げた、奈良県立ジュニアオーケストラについては、2011年6月の創設以来、芸術を楽しみ、また、芸術家を育てる環境づくりを進めたいとの思いで取り組まれ、未来のトップアーティストを目指しておられます。こうしたイベントに私も参加をさせていただいて、音楽には、人を喜ばせる力や感動させる力、人を癒やし、励ます力があり、参加された方の姿を見るたびに、こうした取組の継続と充実を心から願っているところです。 また、今月18日に奈良県文化会館で開催された、第6回まほろばプロムナードコンサートでは、文化庁の補助制度を活用し、130名の子どもの無料招待が実施されたとお聞きしております。このような機会を通して、本物の芸術を鑑賞することで、子どもたちの感性や創造力をはぐくみ、未来の文化の担い手となる人材の育成にもつながる取組は、県の役割として大変重要と考えます。 そうしたソフト面の充実と同様に、ハード面における拡充も必要です。既に県は、文化振興の拠点となる文化ゾーンの整備として、奈良県文化会館を音楽系を軸とした多彩な舞台芸術の殿堂となるよう、令和8年度中のリニューアルオープンを目指しています。 奈良県文化会館は、ムジークフェストならや奈良県みんなで楽しむ大芸術祭における各種公演の会場として、奈良県立ジュニアオーケストラの練習・発表の場として、とても重要な役割を担っています。また近年は、ショパン国際ピアノコンクールで2位に入賞された反田恭平さんの凱旋コンサートや、反田さんを含むジャパン・ナショナル・オーケストラのメンバーが出演された、題名のない音楽会の公開収録など、これまでにない取組も行われるようになってきました。 現在の奈良県文化会館は、世界遺産の社寺や多くの文化施設を有する奈良公園内にありますが、リニューアル整備により、奈良公園エリアにおける文化芸術活動のさらなる充実が図られるものと、大きな期待を寄せているところです。 そこで、本県のさらなる文化振興を図るため、奈良県文化会館をどのように整備しようと取り組まれるのか、知事にお尋ねします。 次に、就学前教育の子どものはぐくみについてお聞きします。 奈良県版就学前教育プログラムは、私が県議会議員に初当選をさせていただいた2015年度から、奈良県と京都大学の共同チームが共同研究を行って、アメリカのハイスコープ就学教育カリキュラムの研究から得られた知見に基づいて、自尊感情、規範意識、学習意識などに該当する指導方法を同カリキュラムから抜粋・編集し、指導方法を参考として編成しています。2016年に策定された奈良県教育振興大綱には、施策の基本的な方向性に、出発点である乳幼児教育が最重要とされ、就学前プログラムの策定が盛り込まれました。2021年3月策定の第2期奈良県教育振興大綱においては、第1のテーマを「こころと身体を子どもの成長に合わせてはぐくむ」とし、就学前や小学校低学年の頃に、その後の人生において重要な土台・基盤が築かれていくことから、教育の振興にあたっては、極めて重要な位置づけと考えています。第2期奈良県教育振興大綱では、「こころと身体を子どもの成長に合わせてはぐくむ」をテーマに掲げ、就学前教育の充実と、こころと身体のはぐくみが、施策方針に位置づけられています。それを踏まえ、子どもに関するすべての人が共通の意識を持って子どもをはぐくんでいくためのガイドラインとして、奈良っ子はぐくみ基本方針が、2022年3月に策定されました。 このように、第2期奈良県教育振興大綱や、奈良っ子はぐくみ基本方針で、本県における就学前の子どものはぐくみの目指す方向と、実践のための基本方針が示される中、在籍する施設、保育園、認定こども園、幼稚園などに関わらず、子どもの生活を取り巻く環境に応じて、良質かつ適切な教育・保育を受けることができるよう、はぐくみの環境づくりを支援する奈良っ子はぐくみ条例が、2022年4月より施行されました。 これまでに就学前教育の意義として、例えば、ペリー就学前プロジェクトを実施したノーベル経済学賞の受賞者である、ジェームズ・J・ヘックマン教授により、社会的効果の有意性や、人生を成功させる能力を身につけるには就学前教育が最も重要とした、人的資本投資への効果が提唱されてきました。 このように、本県における就学前教育への取組を時系列で見てきました。 そこで、知事に、お伺いします。 奈良県の就学前の子どものはぐくみに係るこれまでの施策の実施状況と成果はどうでしょうか。また、今後どのように取組を進めていくのでしょうか、お聞かせください。 次に、持続的な賃上げに向けた取組についてお聞きします。 最近の諸物価の高騰は、過去に見られないような状況にあり、信用調査によると、今月値上げされる食料や飲料は約5千品目が予定されており、これは昨年10月の約7千品目に次ぐ多さで、再び値上げラッシュになると言われています。そうした状況を裏づけるように、昨年12月の全国の消費者物価指数は、2020年の12月を100とした場合、天候などにより価格が大きく左右される生鮮食料品を除くと、総合指数は104.1となり、41年ぶりの高い水準となりました。 一方で、令和4年の全国における月間の現金給与総額名目では、32万6,157円となり、前年に比べて2.1%の増加となるものの、物価の上昇を織り込んだ実質で見ると、前年比マイナス0.9%の落ち込みとなっており、家計における可処分所得の減少、消費マインドの低下や購買意欲の減退などにより、ウィズコロナの中で持ち直しつつある景気の下押しリスクとなる懸念を感じています。 こうした急激な物価高騰に対し、政府では、特に光熱費や燃油費の負担軽減策を補正予算に盛り込み、国で小売事業者を通じて支援を行う形で、本年2月から10月の請求分が値引きされ、標準的な家庭では総額4万5,000円程度が軽減されると試算しています。このような取組に対し、今年の全国消費者物価指数の上昇率が鈍化していくと期待を寄せています。 一方で、抜本的な物価高対策として、国では、最大の処方箋は、物価の上昇に負けない継続的な賃上げとしており、経済界等へ協力を求めるとしています。 こうした中、ユニクロを展開するファーストリテイリングが、給料を最大4割引き上げるなど、全国的に賃上げの機運が大企業を中心に高まってきており、物価上昇を上回る賃上げに期待が集まりつつある中、中小企業の動向に注目すると、商工中金の調査では、賃上げ率は昨年と比べ横ばいで、足元の物価上昇分を下回る公算も高いとされています。 政府は、コロナ禍や原材料の高騰などの影響を受ける中小企業が賃上げに踏み出せるよう、補助金や税制措置による生産性向上賃上げ促進などの支援策のほか、価格交渉促進キャンペーンなどを実施してきました。依然厳しい状況ではありますが、こうした低迷の時代からようやく抜け出せる道筋が見えつつあるのではないかと感じています。この動きをさらに力強いものとするためには、持続的な賃上げにつながる環境をつくり、地域の成長につながる好循環を目指すべきではないでしょうか。 そこで、知事にお伺いします。 持続的な賃上げを実現するためには、企業の生産性の向上を図る取組や、人への投資が不可欠と考えますが、今議会に提案されている、「新しい時代の地域資本主義に基づき活力ある持続可能な経済と社会の実現を図る条例」の制定も踏まえ、県は、今後、施策をどのように進めていこうと考えておられるのでしょうか、お聞かせください。 次に、誰もが快適に楽しめる観光地づくりについてお伺いします。 2020年1月に、最初の感染者が確認された新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、この3年間に国内外の観光需要は大きく減少しました。訪日外国人旅行客数は、2019年には3,188万人と過去最高を記録しましたが、2021年には25万人にまで減少しています。2022年には383万人と戻りつつあるものの、2019年の約12%でしかありません。また、日本人を含む旅行総消費額も、2019年には27.9兆円と過去最高となりましたが、2021年には9.4兆円と約34%まで減少しました。同様に、奈良県における観光消費額は、コロナ前の2019年には1,807億円であったのに対し、2020年には826億円、2021年には973億円と、2年続けてコロナ前の半分程度となっています。こうしたコロナ禍により疲弊した観光産業では、少人数旅行や近隣地域内での観光、いわゆるマイクロ・ツーリズムや、キャンプ・グランピングなどのアウトドア活動への需要の高まりといった新たなニーズに応えると同時に、ウィズコロナ・アフターコロナ時代の観光を見据えて、インバウンド誘客やガストロノミーツーリズムの促進など、観光を通じて経済の活性化を実現する必要があります。 特に、外国人観光客の訪日意向は引き続き強く、高い成長率での市場拡大が見込めることから、外国人を含めた観光客が不自由なく快適に観光を楽しめる環境づくりが不可欠と考えます。また、ユニバーサル・ツーリズムの市場については、70代・80代以上の高齢者による旅行者数は大きく減少しており、障害者についても、高い旅行意向はあるものの、実際に旅行を体験した割合は少ない状況にあります。こうした様々な理由により、観光することが困難な人向けの旅行環境を整えることで、高齢者や障害者など、あらゆる人が本県での観光を楽しんでいただけるよう、観光施設や宿泊施設などにおいて、利用者の移動面に困難をもたらさないバリアフリー化などのハード面、サポート方法を身につけることや、施設のバリアフリー状況の情報発信などのソフト面の両面の対策が求められています。 奈良県では、令和3年に奈良県観光総合戦略を策定し、実効性ある具体的な施策を進められていると認識しています。 そこで、知事にお尋ねします。 高齢者、障害のある方、外国人を含めたすべての人が安心して快適に本県の観光を楽しんでいただくことが重要だと考えますが、これまでの取組状況と今後の展開についてお聞かせください。 次に、市町村の森林環境譲与税の活用に向けた今後の県と市町村との連携についてお聞きします。 林野庁が昨年5月に発表した森林・林業白書2021年度によると、日本の森林面積は2,505万ヘクタールであり、国土面積のおおよそ3分の2を占めています。また、森林面積の約4割が人工林で、1,020万ヘクタールに及んでいます。 本県においても、県土面積36万9,000ヘクタールのうち、森林面積が28万4,000ヘクタールと約77%を占め、森林面積のうち約6割が人工林で、間伐などの森林整備を必要とする森林がそのうちの7割を占めています。 しかし、林業従事者は減少の一途をたどっており、1980年に14万6,000人いた林業従事者が、2020年には4万4,000人に激減し、本県でも1975年の林業従事者は5,371人であったのが、2015年には959人と、2割以下に減少しています。この影響で、手つかずのまま放置された人工林が増えており、また、所有者が不明であったり、所有者に林業への意思がなく、私有林を市町村がかわりに管理する必要性にも迫られています。 そうした中、国では、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に基づき、各市町村が、地域の実情に即した森林の適正な整備や管理、保全などを実施できる財源として、2024年度より、森林環境税を徴収することとしています。 都道府県では、森林の環境保全に資する財源については、2003年度に高知県において初めて森林環境税が導入され、奈良県においても、2006年度より森林環境の保全及び森林をすべての県民で守り育てる意識の醸成に関する施策に要する経費の財源を確保するため、奈良県森林環境税を導入し、施業放置林の整備、里山整備の推進、森林環境教育の推進などに取り組まれてきました。 さらに、2019年に、国より森林環境譲与税が導入されたことで、県では、奈良県森林環境税については、活用の見直しを図って、国から譲与される森林環境譲与税森林環境管理制度に関する市町村への支援や、航空レーザー測量による森林のゾーニングへの活用及び間伐実施箇所の選定など、森林整備の推進に活用しています。 また、奈良県森林環境税を、2021年4月に開校した奈良県フォレスターアカデミーでの、スイスのフォレスター制度などをモデルとした新たな森林環境管理を担う人材の養成に活用しており、令和5年4月には、2年間修業した奈良県フォレスターが、いよいよ新たな時代の森林を切り拓く人材として輩出されると聞いており、地域の森林環境管理に期待が高まるところです。 一方で、森林環境税の徴収に先立ち、2019年度から2021年度の3か年に市町村に交付金として配分された森林環境譲与税、約840億円に上る使途を、総務省と林野庁が調べたところ、その47%に当たる395億円が活用されていなかったことが判明しています。 そこで、水循環・森林・景観環境部長にお伺いします。 各市町村の森林環境譲与税の適正な活用に向けて、今後、県は市町村とどのように連携して取り組んでいくのか、お聞かせください。 次に、奈良県における不登校対策についてお聞きします。 私が地元小学校の登校指導を始めて、はや15年が過ぎようとしています。その間、児童生徒の登校風景を見ていると、少しずつ変わってきているのかなと、そんな感じがいたします。例えば、8時30分の登校時間が迫っていても急がない子どもの数が増えてきたようにも思います。また、朝の挨拶をしても、元気な声で返してくれる子どもの数も少なくなったように思います。このことと、これから質問します、不登校児童生徒との関係性はありませんが、朝の挨拶を通して、1日元気に学校で楽しく学んでくれたらな、そんなことを願いながら、登校指導に立たせていただいております。 さて、コロナ禍になる前は、教員が生徒の自宅まで迎えに行って同行で登校する姿も見てきました。また、学校生活でも、教職員が児童生徒一人ひとりと向き合い、寄り添った対応や取組を行ってきていただいております。こうした取組にも関わらず、不登校児童生徒の数は年々増加の一途をたどっており、令和3年度、過去最多を記録しました。 全国では、不登校など長期欠席の小・中・高の児童生徒数は、令和3年度29万5,925人と、昨年より5万6,747人増加しました。奈良県でも、小・中・高における不登校児童生徒数は、昨年より707人増加となりました。内訳を見ると、小学校では昨年より258人増加の1,013人、中学校では昨年より394人増加の1,988人、高等学校でも昨年より55人増え695人でした。ちなみに令和3年度の千人当たりの不登校児童生徒数は、小学校では15.3人、全国平均は13.0人。中学校では54.5人、全国平均で50.0人。高等学校では21.2人、全国平均は16.9人と、いずれも全国平均を上回る傾向で推移しており、大変重篤な状況と感じています。 県は、平成24年3月に、不登校支援のしるべを刊行し、不登校支援について取りまとめました。その中で示された、不登校の支援モデルをもとに、学校における不登校児童生徒の早期発見、学級担任による家庭訪問や、不登校対策チームによる校内での初期対応などの取組を進めるとともに、不登校「ほっ」とネットを立ち上げ、保護者や教育関係者が集い、不登校児童生徒への理解と支援に向けた取組が進められていると聞いております。 一方で、他県が取り組んでいる不登校予防診断チェックリストの活用などで、不登校の兆候を早期に発見し、早期支援の手がかりを得る取組や、児童生徒の実態に応じた実践的な対応、複数の教員で取組を共有する協働的な実践対応など、新たな不登校を生まない取組が重要と考えます。 また、文部科学省では、個人に配慮して、特別の教育課程を編成することができる不登校特例校を各都道府県などに1校以上設置することを目指した取組に加えて、夜間中学校やフリースクールなど、学びの場を確保すること、訪問相談やオンラインによる支援などを進めようとされています。こういった動きにも対応し、奈良県としても取組を進めていくことが必要と感じています。 そこで教育長にお伺いします。 県は、不登校対策にこれまでどのように取り組んできたのでしょうか。また、不登校特例校の設置など、不登校対策として、今後も様々な対応が必要と考えますが、どのように取り組んでいくのでしょうか、お聞かせください。 最後に、子育て・教育への経済的な支援の充実について要望いたします。 2022年の出生数は、統計開始以来初めて80万人を割り込む見通しで、少子化は国の想定よりも8年早いペースで進んでいます。少子化対策は、年金・医療・介護など、社会基盤の持続可能性を維持していくためにも重要で、公明党は昨年11月に、子育て応援トータルプランを発表しました。 この施策に対し、岸田文雄内閣総理大臣は、1月26日の衆議院本会議で、公明党の子育て応援トータルプランも参考に、6月の経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太方針に、将来的な子ども・子育て予算倍増に向けた大枠を提示すると答弁されました。 そこで、公明党の具体的な施策として、妊娠・出産から社会に巣立つまで、切れ目ない支援の充実を目指し、高校3年生までの子ども医療無償化の拡大や、児童手当の18歳までの対象拡大に取り組みます。 1、妊娠出産期では、不妊治療や不育症の支援をはじめ、出産育児一時金の増額などの拡大。2、幼児教育・保育期では、0~2歳児の保育料無償化の対象拡大や、送迎バスを含めた安全対策の強化を推進。3、高校期に関しては、私立高等学校授業料の実質無償化の段階的な対象の拡大。4、大学期では、高等教育無償化の中間所得層への拡大や、貸与型奨学金の減額返還制度の拡充に取り組むとしています。 本県におきましても、各市町村や国の動向を見据え、力強く推進されることを要望します。 以上で、壇上からの質問とさせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(岩田国夫) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)5番山中議員のご質問にお答え申し上げます。 最初のご質問でございますが、地域デジタル社会の構築により県民の幸福な生活の実現と地域の持続的な発展を図る条例とそのビジョンについてのご質問でございます。 近年、人口減少と少子高齢化が進展しております。また、価値観や困り事が多様化しております。もはや、国がモデルを示して地域が画一的なサービスでそれを実行する、富士山型と言っておりますモデルでは、十分な支援や行政サービスができない状況が生じていると思っております。モデルの転換が必要だと思います。追いつき追い越せ型から違うモデルへの転換が必要だと思います。 そのモデルは、一人ひとりに寄り添った、包括的でパーソナライズされたサービス、個人ごとの課題やお困り事に応じて最適化されたサービスを地域で実行するという考え方になろうと思います。その際、様々な関係者がネットワークでつながることも重要でございます。これからはこうした新しい地域の発展モデルを進めていくことが、奈良県では重要と考えております。 このモデルの推進には、デジタル技術が極めて有効だと思います。デジタルには、時間、場所、組織を超えてつながる、また、人手をかけず、自動で大量に処理できる、また、データを活用した見える化を図り、きめ細かな対応ができる、という特性・強みがございます。 これらを踏まえまして、今議会で提案しております条例では、デジタルの強み・特性を活かして、新しい地域の発展モデルを推進することと同時に、デジタル化がもたらす変化への対応を的確に行うことを、地域デジタル社会のビジョンとしてお示ししたところでございます。このビジョンを実現していくことで、より生活がよくなった、地域が活性化したと実感していただけるようにしたいと思います。 山中議員お述べの、マイナンバーカードの活用でございますが、行政手続を簡単、便利にかつ安全に行う際にとても重要でございます。この条例におきまして、本人確認などに積極的に活用することを基本原則としています。また、来年度に構築いたします情報連携基盤の奈良スーパーアプリでも、個人認証の方法として、マイナンバーカードを活用していく予定でございます。 今後、県民の幸福な生活の実現と地域の持続的な発展のため、地域デジタル社会のビジョンの実現に向けて、市町村、事業者、県民の皆様と連携して、具体的な取組をしっかりと実行していきたいと考えております。 2つ目の質問でございますが、奈良県文化会館の整備についてのご質問でございます。 奈良県文化会館でございますが、音楽による文化活動の拠点として、音楽系を軸とした多彩な舞台芸術の殿堂となるよう、令和8年度のリニューアルオープンを目指し、設計を進めております。 新たな奈良県文化会館は、四季を通じたムジークフェストならなどの音楽イベントや、未来のトップアーティストを目指す、県立ジュニアオーケストラの活動拠点として活用したいと思っております。また、反田さんがリードされますジャパン・ナショナル・オーケストラとの連携による活用を積極的に展開していきたいと考えております。このため、国際ホールはジャパン・ナショナル・オーケストラの反田恭平さんにも好評を得ている音響のよさを生かして、現状よりゆとりを設けた新しい座席で、快適に鑑賞していただく環境を提供していきたいと思います。また、約350席の音にこだわった音楽小ホールや音楽練習室を新設したいと思っております。 これにあわせまして、エレベーターを増設し、エスカレーターを新設するなど、バリアフリーに十分配慮した改修を行いたいと思います。皆様に安心してご利用いただけるよう耐震補強を万全にし、老朽化した施設・設備も刷新したいと思います。 さらに来館者へのおもてなしの空間を演出したいと思います。奈良県文化会館のエントランス周辺にカフェやテラスを設けるほか、中庭を屋内化したアトリウムを整備したいと思います。コンサート前の高揚感を促し、終演後に余韻に浸るひとときを奈良県文化会館でお過ごしいただけますよう、ウエルカムイベントの開催も可能になります。また、前庭の東側にある階段は緩やかなものに改修したいと思います。美術館への誘導がしやすくなるようにしていきたいと思います。 世界に誇る歴史文化資源や豊かな自然に恵まれた奈良公園の玄関口にございます、この奈良県文化会館が、このように生まれ変わり、音楽をはじめとする文化活動が盛んになることで、このエリア一帯の文化ゾーンとしての価値や観光地としての魅力は、さらに高まるものと考えております。 県民の皆様や奈良を訪れる方にとって、これまで以上に心豊かに過ごせる憩いの場となるよう、思いを込めて整備を進めたいと思います。 就学前の子どものはぐくみの取組について、ご質問がございました。 乳幼児期は、生涯にわたる人格形成の礎となる、自尊感情や他者への寛容な心など、いわゆる非認知能力をはぐくむ、極めて重要な時期だと考えてきております。 私はこの認識に立ち、これまでから、就学前の子どものはぐくみの重要性を訴え、県として取組を進めてまいりました。 具体的には、昨年3月に制定されました奈良っ子はぐくみ条例に基づきまして、子どもが遊びを通して、芸術や自然等に親しむことができる機会、また、運動することができる機会の提供を通して、子どもの成長の可能性を最大限広げることができる環境づくりに取り組んできております。 一例を挙げますと、昨年オープンいたしました、なら歴史芸術文化村において、非認知能力をはぐくむ奈良県版就学前教育プログラム「はばたくなら」の考え方をもとに、子ども一人ひとりの豊かな感性と表現力をはぐくむための幼児向けアートプログラムを実施しております。 より多くの子どもたちがこのプログラムを体験できるよう、保育士等を対象とした人材育成にも取り組んでいます。 次に、幼児期の体験が神経や筋肉の発達に大きな影響を与えることから、健やかな体をはぐくむことも大切だと考えております。 現在、まほろば健康パークを拡張・充実して、子どもの発達段階に応じた遊びや運動を楽しめる施設をはじめ、すべての世代の人々が楽しく過ごせる公園を整備したいと思っております。また、県独自の幼児向け運動・スポーツプログラムなどを活用し、保育所などで「運動遊び」ができる環境づくりを推進していきたいと考えております。 今議会に提出しております、「誰もが、いつでも、どこでもスポーツに親しめる地域づくりの推進に関する条例」におきましても、遊びを通じた子どものはぐくみなどを一層推進していきたいと思います。 子どもは社会の大切な一員でございます。家庭や保育所・学校などはもとより、地域全体で子どもを慈しみながら育てる環境を整えていく奈良にしたいと思います。 本県で育つすべての奈良っ子が、将来に夢と希望を抱きながら健やかに成長することができるよう願っております。 次のご質問でございますが、持続的な賃上げに向けた取組でございます。条例の制定を踏まえた、今後の施策についてのご質問でございます。 働く人の賃金を持続的に上昇させることは重要でございます。事業者による経営の革新や新たなビジネスモデルの創造、それを担う人材の育成などを通じまして、賃金の原資となる付加価値の獲得、価格転嫁力向上のための取組が必要でございます。 今議会において提案いたしました条例では、まず、事業者にとって、「商って良し」を実現するため、県が講じる基本的施策について定めております。その内容は多岐にわたりますが、中でも、生産性の向上に関する施策は、賃上げの原資獲得につながる大切な施策だと考えております。 生産性を向上するためには、設備の能力増強や技術力を高める必要がございます。新規設備の導入や研究開発の促進などを通じて、効率化や高度化を進めることで、より付加価値の高い製品を開発、製造することができると思います。 また、デジタル技術の活用も生産性の向上には欠かせません。デジタル化による省力化や業務の高度化により、働く人が、より創造的で付加価値の高い業務に移ることが可能となります。その結果、富の源泉となる特許や経営ノウハウなどの知的財産の獲得、新たなイノベーションの創出につながると考えます。 こうした革新的で創造性の高い仕事を担うのは人材でございます。社会の大きな変化に対応しつつ、継続的に付加価値を高めていくために、知識やスキルなどの向上につながる、「人への投資」が欠かせません。リスキリングと言われる分野の活動が必要でございます。 人への投資は、企業内での取組はもとより、時代の変化を見据え、多様な人材を地域のニーズに応じて地域社会全体で育てていくという考え方が重要だと思っております。 奈良の地を、誰もが学び、スキルを身につけ、一度職場を離れても再出発できる、包容力のある「働いて良し」の奈良の地域にしたいと考えております。 条例案をご承認いただきましたら、基本計画の策定に着手いたします。その過程で、企業の人への投資が進みやすくなるような環境づくりについて、より具体的に検討していく考えでございます。 奈良から始める、新しい時代の地域資本主義、地域が持続的に発展する「三方良し」の社会の実現に向け、計画的に取組を進めていきたいと考えます。 次のご質問ですが、誰もが快適に楽しめる観光地づくりのテーマのご質問でございます。ツーリズム・フォー・オールという考え方に基づいておられると思います。 すべての観光客の方々が、安心して快適な旅行を楽しむ環境づくりは重要でございます。令和3年に策定いたしました、奈良県観光総合戦略における施策の8つの柱の一つとして、滞在環境の快適性を位置づけております、ハード・ソフトの両面で観光客の受入環境整備を進めてきております。 具体的には、まず、県内事業者や市町村が取り組まれます、段差解消等のバリアフリー化や看板の多言語化、通信環境の整備、Wi-Fiの整備、公衆トイレの洋式化など、ハード面の整備に対して、奈良県観光総合戦略推進補助金により支援をしてきております。 また、ソフト面にもなりますが、令和2年度には、県内の観光名所のサポート情報を提供する、奈良ユニバーサルトラベルガイドブックを障害のある方々とともに作成し、多くの方に活用いただいております。 また、観光庁が作成した観光施設における心のバリアフリー認定制度を市町村や関係団体に推奨し、ソフト面でのバリアフリー対応に積極的に取り組む宿泊施設や観光案内所を増やす取組を行ってきております。 また、海外からの観光客へのもてなし環境の充実を図るために、猿沢イン、奈良県外国人観光客交流館と呼んでおりますが、それを運営しております。観光情報を外国の方々の目線で発信するこの施設は、宿泊機能も有し、観光客同士が情報交換できる、外国人観光客の県内周遊と滞在の拠点となっております。コロナ禍前の令和元年度には約2万2,000人の外国人観光客に観光案内を行い、1万人を超える方々にご宿泊いただきました。災害時におきましては、外国人専用の福祉避難所として、外国人観光客を支援する体制を県、奈良市、事業者で構築してきたところでございます。 今後もこのような取組を着実に進めることにより、奈良県観光総合戦略が目指す、多様な観光客に配慮した、来て良し、居て良し、「いつ来ても快適な観光地・奈良」の実現を目指していきたいと思っております。 私に対する質問は以上でございます。ご質問ありがとうございました。この際の発言でございますが、山中議員はご勇退と伺っております。大変お世話になりましたこと、この席を借りて深く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 塩見水循環・森林・景観環境部長。 ◎水循環・森林・景観環境部長(塩見浩之) (登壇)5番山中議員から、私には、市町村の森林環境譲与税の活用に向けた、県と市町村との連携についてのお尋ねです。 山中議員お述べのとおり、国では、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保するため、平成31年度に森林環境税及び森林環境譲与税が創設され、県及び市町村に対し森林環境譲与税の交付が開始されており、令和6年度から、国民1人当たり年額1,000円の森林環境税の徴収が開始されます。 国から交付される森林環境譲与税を活用し、県では、森林の地形や樹木の種類・高さ等について、航空機によるレーザー計測を実施し、それをもとに作成した森林資源や地形等の詳細なデータを市町村に提供しております。 一方、県内市町村では、森林環境譲与税を、県から提供されたデータを活用しながら、施業放置林での間伐や、所有林を今後自分で管理するかどうかを確認する森林所有者への意向調査、研修等による後継者の育成、公共施設の木質化等の木材利用、森林環境教育等に活用されています。 このような取組により、県内の市町村では、令和元年度から3年度までの累計で、森林環境譲与税交付額の65%を執行しており、全国平均の53%を上回っています。 また、県では、市町村における森林環境譲与税を活用した取組を支援するため、平成31年度から森林技術センターに「森林管理市町村連携課」を設置し、市町村に対して助言・情報提供を行っています。 さらに、本年4月から、奈良県フォレスターの1期生7名を市町村に配置することとしており、今後は、奈良県フォレスターが、奈良県フォレスターアカデミーで習得した知識と技術を活かして、森林法で定める伐採届の事務や、森林境界の明確化、施業放置林の整備等をさらに推進し、その財源として県・市町村双方の森林環境譲与税を活用してまいります。 今後、この奈良県フォレスターが推進力となり、県と市町村が十分連携しながら、森林の4機能、防災、森林資源生産、生物多様性保全、レクリエーション、この4機能を高度に発揮させる本県独自の森林環境管理の取組を強力に進めてまいります。以上です。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)5番山中議員のご質問にお答えいたします。私には、不登校対策についてお尋ねでございます。 不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す必要がございます。特に、既存の学校教育になじめない場合には、児童生徒個々の状況に応じた学びの場を保障することが大切だと考えております。 県教育委員会では、これまでから、個々の児童生徒ごとに、不登校になったきっかけや継続する理由を的確に把握し、その児童生徒に合った心理面・福祉面からの支援を行うために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置してまいりました。 来年度の取組につきましては、児童生徒の心の状態を客観的なデータで捉え、児童生徒が抱えている不安やその関連要因を把握するため、奈良女子大学で作成いただいた「こころと生活等のアンケート」を実施する予定でございます。不登校やいじめのアセスメントとして活用し、適切な支援を行うことで、不登校の未然防止・初期対応につなげてまいりたいと考えております。 2つ目の取組でございますが、年間10日程度しか登校できない中学生、昨年度で約250名おりました。この生徒を対象とし、オンラインを活用して、生徒にフレキシブルな学びを保障する、仮称ではございますが、「フレキシスクール」を、これはイギリスにある学校を参考にしておりまして、県PTA協議会と共同で設置する予定でございます。県立教育研究所の教育支援部、生駒市、葛城市などの5つの市の拠点となる中学校に、それぞれ教科の異なる担任教員6人を配置し、教育支援部が中心となって学校やクラスの運営にあたります。具体的な教育活動につきましては、葛城市の電子図書を利用させていただいて行う読書活動、県PTA協議会に提供いただくAIドリルによる学習活動等を、現在、計画いたしております。加えて、教育研究所で実施するスポーツ・文化活動や、奈良教育大学の学生による個別学習支援など独自のカリキュラムを編成し、希望する生徒や保護者に対するカウンセリングも行いながら不登校生徒の柔軟な学びを創造してまいります。 2年間の試行の後、県PTA協議会を通じて、子どもや保護者の意見を取りまとめ、不登校特例校の設置なども研究してまいりたいと考えております。以上でございます。どうもありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 5番山中益敏議員。 ◆5番(山中益敏) 質疑に従った答弁を、知事はじめ関係理事者の皆さんからいただきました。ありがとうございます。自席からは、主張・要望とさせていただきたいと思います。ただ、あまり時間がございませんので、要所の話だけさせていただければと思います。 先ほど荒井知事から、持続的な賃上げに向けた取組ということで、三方良しの条例を踏まえて、答弁いただきました。この条例の前文にうたわれています、一部抜粋になりますが、未来への視点と他者を思いやる精神が足りない従来型の資本主義から、長期的な視点と公益を志向する精神で、地域経済の発展を目指す、新しい時代の地域資本主義へと価値観を転換することが求められている、中略しますけれども、ここに新しい時代の地域資本主義に基づく経済及び社会の振興について、事業活動が継続的に発展し、その利益が働く人へと還元され、地域を構成する主体が公益を志向し、地域が将来にわたって発展する、商って良し、働いて良し、世間良しの三方良しの奈良県を実現するための施策に積極的に取り組んでいくと、このように言われております。もうこれ、すごいことだという、先進的な取組に大いに評価をさせていただきたいと思います。 そうした中で、せんだって私がある中小企業の代表の方と話をさせてまいりました。長引くコロナ禍と、やはり輸入材料、原材料の高騰ということで、輸入する、材料を買って、工場で加工して、また、海外に輸出をされる、そのような事業所でしたが、やはり輸入の材料が非常に高い。そしてまた一方で、輸出をしようとすると円安で、なかなか思ったような値段で売れない。やはり、適正な転嫁ができないということで、大変、この事業所の代表者の方、苦しんでおられました。そういったことが、この条例ができることによって、まさに、商って良しの部分も、しっかり奈良県としてやっていただけるのか。こうした中に、第2章の基本的施策、今後、基本計画をつくっていただくということですけれども、施策の中に、事業者が継続的に発展できる事業環境の実現と、このようにございますので、ぜひとも、この環境の実現を進めていただきたい、このように思いますので、よろしくお願いいたします。 それと、就学前の取組、知事はずっと、もう私が県議会議員にさせていただいてから、この取組をしていただいて、これはすごいなと、このように思っております。 この奈良っ子はぐくみ条例の前文に、すべての奈良っ子が日々喜びや感動にあふれ、将来に夢と希望を抱きながら、健やかに成長することができる地域社会づくりに取り組むと、このように前文でうたっていただいております。本当に崇高なことだな、こんなふうに思います。 しかし、実際に私も現場を歩いて、いわゆるこの、現場の関係者の皆さん、例えば、こども園であったり、また保育所で働いておられる方、また幼稚園におられる方、そういった、現場で働いている職員の皆さんに聞きますと、まだまだ、県でやっていることは知っているけれども、では、自分の園やこども園でそういったことが実践できているかというと、なかなかそうではないように伺っております。そういった意味で、やはり、まだまだそういう意味では普及啓発というのをやっていただかなければならないと、こんなふうに思います。 しかし、その前提には、やはり、コミュニケーション、信頼関係というのが非常に重要なかぎではないか、こんなふうに思います。首長レベルの関係性は言うに及びませんけれども、保育現場の関係者も、これまで以上の信頼関係を結んでいただいて、すごいと言われる奈良県就学前の教育プログラムが、ぜひとも浸透が図られ、そして、子どもが学ぶ力、生きる力、土台となる自己肯定感や他者への寛容な心、健やかな体がはぐくまれるよう、しっかりと進めていただきたいと思いますので、これも要望とさせていただきます。 そして、その他、聞かせていただいた内容につきましては、予算審査特別委員会に私も参加をさせていただく予定をしておりますので、そちらでまた、しっかりと聞かせていただければと思います。 最後に、今期をもちまして、県議会議員を引退させていただくことになります。先ほど荒井知事からも身に余るお言葉をいただき、ありがとうございました。2期8年、多くの方々にご支援いただきましたこと、また、お世話になりましたことを心より御礼を申し上げまして、公明党を代表しての質問とさせていただきます。本当にありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。 しばらく休憩します。 △午後2時5分休憩    -------------------------------- △午後2時19分再開 ○副議長(西川均) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 次に、当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、43番川口正志議員に発言を許します。--43番川口正志議員。(拍手) ◆43番(川口正志) (登壇)御所市出身の川口正志でございます。昭和54年から11期44年にわたり県議会議員を務めさせていただき、全国都道府県議会議員約2,700名の最高齢議員になるという幸運を頂戴いたしました。これを機に、パワーあふれるエネルギッシュな若い世代に交代をと考え、今期をもって引退させていただきます。本当に皆さんありがとうございました。(拍手) この本会議場の演壇に登壇するのは、本日が最後となります。支援者の皆様、県民の皆様のご支援に厚く御礼申し上げます。 また、歴代4人の知事と行政関係者、県議会議員などの多くの方に、敬意と感謝を表す次第でございます。私の主張に耳を傾け、心を寄せ、県政に反映することにご尽力を賜りましたことに、併せて感謝を申し上げる次第でございます。 これまでの議員生活、私は、人間の尊厳、人権と人情と信頼、中南和地域の振興、我がふるさと御所市を中心とした県政の均衡ある発展を願求してまいりました。 すべての人々が人間性の原理に覚醒し、人類最高の完成に向かって突き進むことを至上の理念とした人権文化の尊重については、障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例、男女共同参画推進条例、部落差別の解消の推進に関する条例の制定などとして大きな実を結びました。また、中南和地域の振興についても、組織や条例ができ、県政の大方針として刻み込まれることとなりました。今後もぜひ、温かい血の通った県政を進めていただくことを切に願いながら質問に入らせていただきます。 初めに、御所市の市政発展に向けた奈良県の取組について、知事及び教育長に伺います。 1点目は、近鉄御所駅及びJR御所駅周辺のまちづくりについてです。 この一帯は御所市最大の中心市街地ですが、人口減少や高齢化等の影響により、往時のにぎわいが失われつつあります。しかし、鉄道駅は、依然としてまちの玄関口、まちの顔として重要であり、御所市が元気になるためには、この地域に活気を取り戻すことが不可欠です。 平成29年3月には、県と市の間で、この地域の持続可能なまちづくりに向けた基本協定が締結されました。その後、県と市が協働で検討を進められた結果、令和2年12月に御所市役所の近鉄御所駅西側への移転が決定しました。この事業が始まると、いよいよこの地域のまちづくりが大きく動き出すこととなります。 そこで、知事にお伺いいたします。 近鉄御所駅及びJR御所駅周辺のまちづくりについて、県がこれまでどのように、御所市に協力してこられたのか、また、今後の見通しについてお伺いいたします。 2点目は、(仮称)御所インターチェンジ工業団地についてです。 知事は就任以来、人口流出を防ぎ、脱ベッドタウン化を図るため、県内雇用の創出に取り組んでこられました。とりわけ、中南和地域においては、通勤圏内での雇用機会の創出に向け、京奈和自動車道御所インターチェンジの周辺に着目をされ、産業集積地の整備に向け、熱心に取組を進めていただきました。用地の取得に随分ご苦労をお掛けしましたが、ようやくまとまった土地が確保でき、本格的な用地整備と企業誘致に着手していただいております。この事業が実現すると、この地域の産業発展への大きな投資となり、地域全体の活性化への展望が大きく開かれることになります。私も大いに期待しております。 そこで、知事にお伺いいたします。 (仮称)御所インターチェンジ工業団地整備の進捗状況と、今後の御所市及び中南和地域の産業活性化への意気込みを改めてお聞かせを願いたいわけでございます。 3点目は、大規模商業店舗進出についての要望でございます。 先日、御所市長から、アメリカの有名な大規模小売店が御所南インターチェンジ付近に進出したいという要望書を市に提出されたとの非常にうれしいニュースが飛び込んでまいりました。近隣府県の同じ店は、若い人たちに大人気だそうです。県内からだけでなく、大阪府の東部、和歌山県や三重県等からたくさんのお客さんに来ていただくことが見込めます。御所市の振興、なかんずく南和地域の活性に向けた大きな起爆剤となる絶好のチャンスであり、計画が頓挫しないよう、とりわけ地権者のご理解とご協力が得られるよう、しっかり頑張らないといけません。 受け入れにあたって、自治体でも、土地に関わる規制や、大規模小売店舗立地法上の許認可といった商業施設の立地に直接関わる問題だけでなく、周辺道路や交通など、地域のまちづくりにも関わる様々な課題が生じることが予想されます。 そこで、この商業店舗の進出にあたり、県も積極的にご協力いただけますよう要望しておく次第でございます。 4点目は、伝統産業の振興についてです。 御所市には、薬業をはじめ、履物や本葛などの伝統産業があります。また、中南和地域全体を見渡すと、毛皮・革産業や林業・木材加工業など、多くの伝統産業が息づいています。中南和地域の振興を図るためには、こうした伝統産業の振興が不可欠だと思います。 とりわけ、昨年9月議会でも要望、ご質問いたしましたが、薬業を支える薬事研究センターの充実は急務です。耐震改修工事が凍結されてから3年が経過しております。ぜひとも、何とかしてもらわなければならないという強い思いを持っている次第でございます。 そこで知事にお伺いいたします。 御所市をはじめ、中南和地域を伝統産業の拠点とする取組、とりわけ薬業振興に向けて、薬事研究センターの組織の充実と改築が急務だと考えますが、どのように進めていただいているのでしょうか。 最後に、教育文化の振興について伺います。 御所市は、かつては3つの高等学校を擁する教育文化のまちでした。そのうち2つが合併し、現在は青翔中学校・高等学校と御所実業高等学校の2つの学校になっていますが、そのうち青翔中学校・高等学校はスーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、高い進学実績を上げています。また、御所実業高等学校は、私立全盛の高校ラグビー界における、公立の星として、竹田寛行監督の指導を求めて、全国から若い力が集まり、御所市民に大きな感動と希望を与えてくれます。さらに、野球など、スポーツも盛んでございます。御所市にある県立学校において、このような特色ある教育に力を入れ広く生徒を集めることは、中南和地域、ひいては県全体の活性化につながります。 そこで、教育長にお伺いいたします。 御所市にある県立学校における特色ある教育の取組をさらに強め、教育文化の振興を進めていただきたいと考えますが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。 次に、油圧ショベル、通称ユンボなどの公道走行について、公安委員会委員長にお伺いいたします。 ユンボは、建設機械として工事現場等でよく使われており、建設機械を取り扱う15社のホームページを見ますと、これを運転する場合は重量に応じた普通自動車免許から大型自動車免許のどれかが必要とされています。 一昨年の秋、御所市で、おじいちゃんが稲刈り作業中にコンバインが故障し動かなくなったため、建設業者のAさんに助けを求め、Aさんは所有しているユンボを時速2キロメートル余りで田舎道を走らせ、コンバインを引上げました。 なお、このAさんは大型自動車免許も、ユンボの操作に必要な資格もすべて保有されておられます。 作業を終えたAさんは、近所にパトカーが来ているのに気づき、事情を尋ねたところ、近所の方の家の前に置いていた石が側溝に落下したとの話を聞き、私、先ほどユンボでこの前を通りましたと申告したため、事情聴取を求められ、これに応じました。 ところがその際、警察官から、ユンボの公道走行には大型特殊免許が必要だと指摘され、結果、すべての運転免許の取消しと、今後2年間免許の取得ができないという処分が下されました。 なお、そのときの調書には、Aさんが大型特殊免許が必要なことを知っていた、橋を損壊させた、ここで事故を起こしたなど、U字溝を裏返した石の置台を橋といい。石の置台を橋といい。あたかも損壊があったかのごとくでっち上げ、Aさんが供述していない内容の義務懈怠と蔑視観貫かせて書き連ねた、つまり、捏造と言っても過言ではないものと知りました。 Aさんが奈良運輸支局に相談したところ、担当の方から、ユンボは建設機械であり、自動車ではないし、自動車登録もできないと言われたそうです。当然、車検やナンバープレートも受けられませんし、自賠責保険にも加入できません。メーカーや自動車学校等に問い合わせても同様の回答だったと聞きます。これを受け、Aさんが、公安委員会に再度確認したところ、本件ユンボは道路運送車両法上のショベルローダーであり、特殊自動車であると言われたそうです。 警察本部では、先般、トラクターや建設機械が公道を走行する場合、特殊自動車の免許が必要であるとのチラシを作成し、ホームページに載せて啓発を始めました。しかし、その内容を見ますと、キャタピラー式の建設機械であるユンボと、タイヤ式の荷役運搬機械であるショベルローダーを無理に混同させるような内容となっており、本件処分を後追い捏造するものではないかと思います。 なお、同年、ユンボで公道を50メートル走り、交通事故に対応した建設業者に対し、千葉県の警察署長から感謝状が授与され、本県の判定・措置との格差に大きな疑問と憤りを覚えます。 そこで公安委員長にお伺いいたします。 多分、公安委員長はこの調書に目を通していないのではないかと思いますが、キャタピラー式のユンボは、自動車登録や車検、自賠責保険加入が不可能ですが、これがなぜ特殊自動車と扱われ、特殊免許が必要となるのでしょうか。また、ショベルローダーとは、カテゴリーも操作に必要な資格も違いますが、なぜ同じものと扱われるのでしょうか。仮にショベルローダーと同じものと判断するのであれば、どこで自動車登録や車検が可能となるか、これをお示しいただきたいと思います。 大型特殊免許は運転免許センターで取得することとなっていますが、センターの技能検定でキャタピラー式の建設機械の操作は行われているのでしょうか。 千葉県における事案は、キャタピラー式のユンボで公道を走ったことでは本県と同様であり、都道府県ごとに免許に関わる処分の判断が違うことは認められるのでしょうか。 なお、本件でAさんのユンボをショベルローダーと判断した後に、香芝市でユンボを住宅地で40メートル移動させた事案では、無登録・無車検・無保険とし、免許停止処分として扱われ、疑問が投げかけられています。 トラクターや農業機械が農道や河川堤防を走行する光景を目にすることがありますが、道路交通法上の道路には農道や河川堤防も含まれるのでしょうか。 建設機械を使用するにあたり、道路使用許可や道路占用許可の申請が必要になる場合があります。許可の申請をすれば、自動車登録や運転免許の必要は問われないのでしょうか。 また、本件は、農山村地域に根付いた共生・共助の精神であり、文化の糧です。この親切な行為をされた方を不当に処分したことは大きな過ちです。田舎のことで、ユンボの走行は危険性もありませんでした。また、その過程で、調書の捏造など、不適切な取調行為も行われています。警察を管理する立場としての公安委員長として、この措置処分は改めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 論語に、「過ちて改めざる、是を過ちという」という孔子の言葉があります。今からでも遅くはございません。過ちを認め、速やかに改められたいと強く求める次第でございます。 最後に、公職選挙法の解釈と適用について、選挙管理委員会委員長及び警察本部長にお伺いいたします。 地方議会議員の成り手が少ない地域もありますが、選挙戦が過熱しつつある地域もあり、私は、前回の統一地方選挙直後の本会議で、公職選挙法違反の問題を取り上げました。当時の選挙管理委員会委員長は、選挙管理委員会には、違反の事実を調査し、判断する権限がないとの答弁に終始しました。警察は、選挙違反の事実が寄せられた場合、適切に対処するとの見解でした。今回は、選挙執行前の事案であります。 昨年12月、御所市において、自由民主党所属の比例区選出国会議員と、党の公認・推薦を受けずに県議会議員に立候補を表明されている方の大きな写真が掲載された街頭演説ポスターが党の広報版に掲示されました。また、類似ののぼりも多数立てられました。街頭演説は選挙後の4月30日になっています。5か月も先の宣伝です。 突然の事態に地元の方も大変驚いておられます。この方が党推薦を得られたと錯覚したとの声もありました。党御所市支部の方は、「支部を無視した国会議員の身勝手ですわ」と言っておられましたが、公認・推薦を受けない方の写真を提示したことに不満が広がり、県連本部も県第3選挙区支部も知らない話と、党員の皆さんに伝えられたようです。 さらには先日、同じ方の後援会事務所開きの案内が市内の住宅に戸別配布されていました。 立候補すれば勝利したいのは当たり前ですが、常軌を逸した行為は避けたいものです。 そこで、選挙管理委員会委員長にお尋ねいたします。 県議会議員選挙への立候補予定者と党選出国会議員が掲げられたのぼりは、公職選挙法上、ポスター同様の取扱いを受け、許されるのでしょうか。また、党の公認等を受けていないのに、このようなポスターやのぼりを掲示することについては、規制が必要ではないのでしょうか。少なくとも選挙の告示後も提示され続けられていた場合は、公職選挙違反になると思いますが、いかがでしょうか。 次に、選挙前に事務所開きの案内を不特定の方々に戸別配布することは、選挙の事前運動になるのではと考えられますが、いかがでしょうか。 続いて、選挙管理委員会委員長と警察本部長の両方にお伺いいたします。 ポスターやのぼりの掲示、挨拶行為などが公職選挙法に抵触するとの判断に至った場合、どのように対応されるのかお聞かせください。 最後に、法令上、県議会議員選挙の立候補者の政治活動のために使用される事務所の看板類は、候補者等が6枚、後援団体が6枚、認められていますが、選挙区が大きいところは密度が非常に低くなり、地域格差が生じております。この格差是正に取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。 これで壇上からの質問を終わりますが、私は欲張って長く演壇にて質問をいたしましたので、適切な答弁がある限り、再質問を差し控えたいと思いますので、適切な答弁をよろしくお願い申し上げて、降壇いたします。ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)43番川口正志議員のご質問がございました。お答え申し上げます。 私に対する最初の質問でございますけれども、近鉄御所駅及びJR御所駅周辺のまちづくりについてでございます。 近鉄御所駅及びJR御所駅周辺地区のまちづくりは、鉄道駅を中心にした市街地のリニューアルと活性化を目指すものでございます。他地域のモデルになる取組だと考えております。 県と御所市は、まず、平成27年8月に、まちづくりに関する包括協定を締結いたしました。平成29年3月には、都市機能の向上、住環境の充実、観光・交流の促進及び歴史文化の継承をテーマとした、まちづくり基本構想を策定いたしました。併せて、鉄道事業者と連携してまちづくりを進めるべく、同年4月に、県、御所市、近畿日本鉄道株式会社及びJR西日本の4者で連携協定を締結したところでございます。 御所市におかれましては、これまでに、JR御所駅の西口改札の設置や駅舎のリニューアルなどを実施されたほか、市役所移転に向けて「御所市役所の位置を定める条例」の改正を行われました。現在は、近鉄御所駅の駅舎移転や駅前広場の整備、関連する道路整備に関する計画の検討を行っておられます。 一方、県では、整備計画策定にあたっての技術的支援や財政的支援として、対象経費の2分の1の補助を行うとともに、財源的に有利な事業手法を選択できるよう国等関係機関との協議・調整を担ってまいりました。 新年度におきましても、引き続き、御所市と連携を密に取組を進めることにしております。まずは近鉄御所駅前広場の整備方針について、近畿日本鉄道株式会社との合意を目指してまいりたいと考えております。 次のご質問は、(仮称)御所インターチェンジ工業団地の整備の進捗状況と今後の見通し、意気込みについてのご質問でございます。 (仮称)御所インターチェンジ工業団地の整備は、中南和地域内からの通勤が可能な場所に企業を誘致することで、中南和地域の産業振興と安定した就業の場を確保できるよう、県が直接、工業団地を造成・分譲するものでございます。県の唯一の直轄工業団地造成事業でございます。 事業の進捗状況でございますが、現在、文化財発掘調査や造成に向けた準備、併せて、優良な企業を誘致できるよう、全国1万社に対してアンケート調査を含めたPRにも取り組んでおります。また、都市計画変更手続では、令和5年5月の市街化区域編入を目指して、国との協議を進めております。 これらの取組により、最も早く分譲が可能となる御所東高等学校跡地につきましては、令和5年度中に企業募集を開始することができる予定でございます。 引き続きまして、複数の業務を同時並行で進めることにより、一日も早く分譲、引渡しができるよう、地元関係者のご協力もいただきながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。 さらに、本事業を契機として、御所市だけでなく、隣接します大和高田市、橿原市、葛城市におきましても、企業誘致や工業ゾーン創出への動きが出始めております。 今後とも、県の産業用地創出のための補助金の活用も含め、市町村との連携・協働を強化して、一層の中南和地域の経済振興と雇用の創出に努めてまいりたいと思います。 3つ目のご質問は御所市にございます薬事研究センターの組織と充実についての考え方のご質問でございます。 中南和地域には、悠久の歴史や豊かな文化、雄大な自然に恵まれた伝統を有する産業が数多く存在いたします。 とりわけ御所市とその周辺市町には製薬企業が集積し、県の薬業の中心地となっております。 御所市に位置する薬事研究センターは、これまで製薬企業の技術指導や人材育成、製品開発支援など、奈良県の薬業振興に寄与してきました。しかし、センターの果たすべき役割と、それに伴う組織体制の在り方につきましては、今後の本県の薬業発展のために根本的に議論する必要があると考えました。まず、令和4年7月と8月に有識者ヒアリングを実施いたしました。さらに同年10月には、奈良県の薬業振興と薬事研究センターのあり方懇談会を立ち上げ、これまで計5回懇談会を開催し、このたび中間取りまとめをいたしました。 懇談会では、まず、研究は、品質確保等に関する研究や生薬の研究、製薬業界のニーズを踏まえた製剤研究等を構成することが大切であること、また、製薬企業にとって距離が近い等の利便性があるところや県外の研究所などへもアプローチがしやすいところ等に設置することが望ましいこと。3つ目には、信頼性確保や利益相反の観点から、研究部門と規制部門は独立した組織であるべきなどの意見が出され、中間取りまとめに盛り込まれたところでございます。 今後の予定といたしましては、令和5年度には、センターに求められる機能や設置場所について、そのビジョンは整理し、最終取りまとめをして、奈良県の薬業振興に大いに役立つ薬事研究センターにするための結論を出していきたいと考えております。 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。また、この機会をお借りいたしまして、川口正志議員にはご勇退と伺っております。最後のご質問だということだと思いますが、これまで、ご指導賜りましたことに、厚く御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。また、この後はご健康に留意され、県勢発展のため、引き続きご指導賜りますようご祈念申し上げて、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)43番川口正志議員のご質問にお答えいたします。 私には、御所市にある県立学校の振興についてお尋ねでございます。 まず、青翔高等学校では、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクールの3期目の指定を受け、奈良から世界へ翔ける科学技術グローバル人材育成プログラムを研究課題とし、独自テキストを生かしたスーパー探求科学をはじめとした特色ある学校設定科目を設けております。また、中高一貫を推進するための青翔中学校を併設して9年目を迎え、6年間を通じた系統的な教育課程により大学進学の実績が地域に注目されるようになっております。 一方、御所実業高等学校では、実学教育に力を入れ、地元企業で実習をいたしております。また、各種検定・資格取得にも熱心に取り組み、地元企業の支援を受けながら、今年度2名が土木施工管理技士の資格を取得いたしております。 また、川口正志議員お述べのように、ラグビー部、空手部、野球部など、運動部活動にも熱心に取り組んでおります。特に、7月に実施されるラグビーフェスティバルは、夏の花園と称され、全国から約30チームの強豪が参加をし、議員をはじめ、地域や企業の協力のもとで、御所市に欠かせないイベントとして定着いたしております。県教育委員会では、来年度にスポーツ特別強化校として同校のラグビー部を指定し、花園での優勝を目標に掲げる生徒に応えてあげたいと思っております。 今後も、それぞれの学校が保護者や地域に信頼されるとともに、県南部地域の教育振興のために役割を十分果たせるよう、努力してまいります。 以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(西川均) 和田林公安委員会委員。 ◎公安委員会委員(和田林道宜) (登壇)43番川口正志議員から私には、油圧ショベルなどの公道走行につきましてのご質問をいただきました。お答え申し上げます。 まず、キャタピラー式の油圧ショベルがなぜ特殊自動車と扱われ、特殊免許が必要となるのかとのご指摘につきましては、道路交通法及びその下位法令において、キャタピラーを有する自動車は、道路運送車両法に定められた自動車登録等の可否に関わらず、その大きさなどに応じて大型特殊自動車、または小型特殊自動車に該当し、当該自動車を道路で運転するには、それに応じた運転免許が必要ということでございます。 また、キャタピラー式の油圧ショベルと、ショベルローダーがなぜ同じものとして扱われるのかとのご指摘につきましては、道路交通法及びその下位法令において、キャタピラーを有する自動車とショベルローダーは同じ特殊自動車として規定されております。 さらに、どこで自動車登録や車検が可能となるかとのご指摘につきましては、奈良県公安委員会の所管外ではございますが、所管する国土交通省が、道路運送車両法及びその下位法令等の定めるところによって行われるものと認識いたしております。 次に、運転免許センターで取得する大型特殊免許についてのご質問でございますが、道路交通法施行規則では、大型特殊免許の技能試験で使用する自動車は、車両総重量5,000キログラム以上の車輪を有する大型特殊自動車で、20キロメートル毎時を超える速度を出すことができる構造のものと規定されております。 また、キャタピラー車限定の大型特殊免許の技能試験で使用する自動車は、車両総重量5,000キログラム以上のキャタピラーを有する大型特殊自動車と規定されております。 県警察におきましては、限定条件なしの大型特殊免許の取得を希望される方がほとんどであることを踏まえ、技能試験用としてキャタピラーを有する大型特殊自動車を保有しておりません。 しかし、キャタピラー車限定の大型特殊免許の取得を希望される方には、先に申し上げた基準に該当する自動車を運転免許センターに持ち込んでいただき、技能試験を実施することといたしております。 次に、都道府県ごとに免許に関する処分の判断が違うとのご質問でございますが、奈良県での事案とは、令和2年10月奈良県御所市内における無免許運転の事案と理解しておりますが、同事案につきましては、現在係争中でございますので、同事案に関連する回答は差し控えさせていただきます。 一方、川口正志議員お述べの、都道府県ごとに免許に関わる処分の判断が違うのかとのご指摘については、各都道府県において、各種法令等に基づいて適切に対処しているものと認識いたしております。 次に、道路交通法上の道路には、農道や河川堤防も含まれるのかとのご質問でございますが、道路交通法第2条において、道路とは、「道路法で規定する道路、道路運送法で規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。」と規定されております。 このうち、一般交通の用に供するその他の場所につきましては、道路の体裁の有無、客観性、継続性、反復性の有無、公開性の有無などを基準として判断することとされております。 このため、川口正志議員ご指摘の、農道や河川堤防が道路に含まれるかということにつきましては、さきに申し上げました基準を踏まえ、個別具体的な状況に基づいて判断するため、一概にお答えすることはできません。 次に、道路使用や道路占有の申請をすれば、運転免許等の必要性は問われないのかとのご質問をいただきました。運転免許の必要性の判断は、個別具体的な状況に基づいて判断をすることとなりますが、例えば、道路工事等で道路使用許可を受けた場合であって、建設機械が当該許可の日時や場所に係る作業等の許可の範囲内において走行する場合には、道路交通法は適用されないと認識いたしております。 次に、本件の処分を改めるべきと考えるがどうかとのご質問については、現在係争中の事案でありますので、お答えを差し控えさせていただきます。 いずれにいたしましても、川口正志議員お述べのとおり、奈良県公安委員会は、奈良県警察を管理する立場にあり、その権限と責任を有しておりますので、県警察が各種法令に基づき適切に職務執行をすることはもちろんのこと、奈良県の安全・安心の確保に向けた活動を的確に推進するよう、引き続き、適宜適切に県警察を督励してまいりたいと考えております。以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○副議長(西川均) 森本選挙管理委員会委員長。 ◎選挙管理委員会委員長(森本俊一) (登壇)43番川口正志議員のご質問にお答えします。 まず初めに、県議会議員選挙の立候補予定者と党選出の国会議員が掲げられたポスターやのぼりの公職選挙法上の取扱い等についてご質問がございました。お答えします。 演説会などを告知する文書図画について、公職選挙法の一般的な解釈を申し上げますと、ポスターであるか、のぼりであるかを問わず、演説会などの弁士である立候補予定者や国会議員の写真、氏名などの表示部分が、政党の演説会告知部分と比べて特段に目立ったものでなく、政党の政治活動用のものと認められる場合は、告示日前で使用が可能であるとされております。 なお、政党の公認を受けていない立候補予定者が、政党の政治活動用のポスターやのぼりに掲載されている場合の規制については、政党の政治活動に関わることであり、国会などにおける各党各会派の議論を踏まえ、決定されるものであると考えております。 次に、告示日前に適法に設置された、立候補予定者の氏名等が記載されているポスターやのぼりのうち、ポスターについては、公職選挙法第201条の14第1項の規定に基づき、告示日のうちに撤去しなければならならないとされております。 一方、のぼりについては、告示後の撤去に関する明確な規定はございませんが、選挙運動用の文書図画に関する禁止を免れる行為と認められる場合には、公職選挙法第146条の規定に抵触し、告示後は使用できないことになります。 県選挙管理委員会としましては、こうした制限について、先日開催しました県議会議員選挙の立候補予定者説明会におきましても周知し、選挙の適正な管理執行に向け、取り組んでいるところでございます。 次に、事務所開きの案内の不特定の方々への戸別配布についてご質問がございました。お答えします。 県選挙管理委員会には法律上、文書図画の配布や挨拶行為について調査などを行う権限がなく、判断する立場にはないと考えております。 なお、公職選挙法の一般的な解釈としましては、ある行為が選挙運動であるかどうかの認定にあたりましては、その行為のなされる時期、場所、対象などを総合的に見ることになります。それが特定の候補者の当選を目的とした、票の獲得に必要かつ有利な行為に該当するかどうかを、実質に即して判断しなければならないと考えております。 最後になりますが、ポスターやのぼりの掲示や挨拶行為などが公職選挙法に抵触した場合の選挙管理委員会の対応についてのご質問がございました。お答えします。 立候補予定者の氏名などが記載された政党の政治活動用ポスターやのぼりが、告示日のうちに撤去されなかった場合の対応についてのご質問でございますが、先ほどご答弁申し上げたように、県の選挙管理委員会では、立候補予定者説明会等の機会を通じまして、文書図画に係る制限などについて周知を図っております。まずは各陣営におかれまして、法の規定や趣旨を踏まえて適切にご対応いただき、選挙が公明かつ適正に行われることを期待しております。 その上で、仮にこうしたポスターやのぼりが告示日のうちに撤去されず、公職選挙法に抵触すると認められる場合には、法律の規定上、県または市町村の選管が撤去させることができるとされております。 県選挙管理委員会としましては、こうした法の規定も踏まえ、選挙の適切な管理執行に向けまして、県警察など関係機関と連携して、必要な対応を検討してまいります。 また、挨拶行為などについて、違反行為が行われているとの情報を得た場合、選挙の公正を確保するために、必要と思われる情報については、これまでも県警察と適宜連携させていただいており、今後も同様に対応してまいります。 ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 安枝警察本部長。 ◎警察本部長(安枝亮) (登壇)43番川口正志議員から私には、ポスターの掲示等が公職選挙法に抵触すると判断された場合の対応についてのご質問をいただきました。 お尋ねの件について、個別具体的な事案に関してはお答えを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、警察としては、県民等から選挙違反に係る情報が寄せられた場合、法と証拠に基づき適切に対処することとしております。以上でございます。 ○副議長(西川均) 43番川口正志議員。 ◆43番(川口正志) 適切に答えてくださいよ。質問に答えなさいよ、質問に。 ○副議長(西川均) 43番川口正志議員、どなたに対しての話ですか、それは。適切に答えていないという指摘は、どの。 ◆43番(川口正志) 時間あらへんがな。 ○副議長(西川均) 43番川口正志議員。 ◆43番(川口正志) 議長がお困りだから、勝手にしますが、とりあえず、知事、私の引退に対する労いありがとうございました。 それから、公安委員長なり選挙管理委員長。恐らく、調書等のいろいろな事実に関わっての検分をなさっていないだろうと、お気の毒だと私は思いつつ、あえて名誉職ではないが、あまり、担当事務局であるところの理事者が、きちんと物事をやりなさいよということが、基本的にあるのですよ。 そして、特に、ユンボに関わって、これは、調書を見ただけでも、これは捏造ってすぐわかるでしょうが。U字溝を逆に置いただけで橋と言うのですか。これ行政用語ですか。ここから物事考えなさいよ、ねえ。捏造ですよ、調書の捏造。それに関わっての冤罪。いろいろあります。 奈良県で、悔しくも悲しくも、安倍元内閣総理大臣が亡くなったというあの事件。それに関わって、警察は大変必死で、名誉回復のために頑張ってなさるという話も私の耳には入っています、当然ですよ。みんながね、そういうご苦労なさっているというのは耳に入っているのですよ。その上で私はあえてこの問題をやっているのですよ。あえてこの問題を。警察に問題を投げかけたらしっぺ返しがあるということも世間では豪語されています。 そういう意味で適切に私の質問に対して、適切に答えていないでしょうが、適切に。だから、車検はどこで受けられるのや。その場所を教えてください、それ。どこへ行ったら警察の調書のとおりの展開が可能なのか、場所を教えてください。いい返事があるまで私は待ちます。 ○副議長(西川均) 和田林公安委員会委員。 ◎公安委員会委員(和田林道宜) 先ほど申し上げましたように、担当は国土交通省でございますので、そちらの方でお確かめいただくということになろうかと思います。よろしくお願いいたします。 ○副議長(西川均) 43番川口正志議員、今の発言で、納得いかないということでございますか。 ◆43番(川口正志) 返事になっていますか。どこで車検受けるの、どこで車検。 ○副議長(西川均) 和田林公安委員会委員、今、川口正志議員がおっしゃっている、車検はどこで受けるかということを端的に説明していただけませんか。--和田林公安委員会委員。 ◎公安委員会委員(和田林道宜) 先ほど申し上げましたように、道路運送車両法で定められた自動車登録の可否に関わらず、大型特殊自動車または小型特殊自動車に該当する運転免許が必要ということでございます。そういうことでご返答させていただいたと思います。よろしくお願いいたします。 ○副議長(西川均) 和田林公安委員会委員、これ以上の回答はないのですか。--和田林公安委員会委員。 ◎公安委員会委員(和田林道宜) 回答は以上でございます。 ○副議長(西川均) 43番川口正志議員。 ◆43番(川口正志) どこへ行くんや、どこへ。場所を教えてくださいよ。調書や、いろいろな、私は冤罪を言うてんだよ、冤罪を。 ○副議長(西川均) 和田林公安委員会委員、もう一度、回答願えますか。--和田林公安委員会委員。     (「冤罪やないか、冤罪」との声あり) ◎公安委員会委員(和田林道宜) 自動車の登録につきましては、国土交通省の方で所管しておりますので。     (「そんな話を聞いているのと違うよ。質問した内容にもう一遍きちんと返事したらどうや。おととい言ったことと違うのや。事前に言うているのだから。冤罪ではないか、冤罪」との声あり) ○副議長(西川均) 今、川口正志議員がおっしゃっているのは、1番のキャタピラー式の油圧の自動車登録や車検が可能となるか、このことでございますか。 ◆43番(川口正志) すべて。 ○副議長(西川均) すべてですか、すべて。 この1番について、公安委員会、見解を述べていただけますか。2の1番。--和田林公安委員会委員。 ◎公安委員会委員(和田林道宜) 1番につきましては、先ほど申しましたように、公道で運転するには当該自動車を運転する運転免許が必要だということでございます。 それから全般的に、申し上げましたけれども、本件は係争中の事案でもございますので、細かいところは回答は差し控えさせていただきたいということでございます。よろしくお願いします。     (「三権分立」との声あり) ○副議長(西川均) 43番川口正志議員、挙手で発言をお願いしたいと思います。     (「時間を取られるだけや。時間がたくさんあることはよく分かってますから。こういう事件が起きたらどう扱うか、また議会運営委員会でよく相談してください」との声あり) ○副議長(西川均) 43番川口正志議員の質問の、2番目の油圧ショベルなどの公道走行についての件でございますが、公安委員会、そしてまた、県警本部と議運の委員長とを交えて協議をさせていただきたいと思いますので、暫時休憩をさせていただきます。 △午後3時20分休憩    -------------------------------- △午後3時47分再開 ○副議長(西川均) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 43番川口正志議員。 ◆43番(川口正志) 私の発言ね、あまり具体的にやると、というよりも文書で出してあるわけやから。それでも答えられん。三権分立ということを改めて申し上げておきます。予算審査特別委員会にも出ますから、もう少しまた、お互い、心の籠もった通い合いの会話をしたいと思います。お願いして今日はこれで控えておきます。(拍手)   -------------------------------- ○副議長(西川均) 次に、41番秋本登志嗣議員に発言を許します。--41番秋本登志嗣議員。(拍手) ◆41番(秋本登志嗣) (登壇)川口正志議員の関係で時間がちょっと過ぎていますので、私は簡単に終わりますので、よろしくお願いします。 議長の許可をいただきましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。 私は、今期の任期満了をもちまして、県議会議員の職を辞することにいたしております。したがいまして、今回の質問が、私最後の質問となりますので、皆様、どうかよろしくお願いいたします。 私が県議会議員に当選いたしましたのは、1990年、平成2年2月で、それから33年の月日が経過いたしました。議員となってから9期という長い間、ご支援を賜りました県民の皆さん、あるいは支援者の皆さん、そして、ご指導、ご協力をいただきました同僚の県議会議員の皆さん、知事をはじめとして理事者の皆さん、並びに県職員、県議会事務局の職員の皆さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。 私ごとで恐縮でございますが、この場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。皆さん本当にありがとうございました。 それでは、私がこれまで特に力を入れて質問してお願いしてきました、大規模広域防災拠点と、国道168号新天辻トンネルの件について質問をさせていただきます。 まず初めに、大規模広域防災拠点の整備について、知事にお伺いいたします。 近い将来、発生が予想されている南海トラフ地震は、30年以内に発生する確率が70%から80%程度と言われております。南海トラフ地震のうち想定される最大規模の地震である南海トラフ巨大地震は、県内に甚大な被害をもたらし、特に山間部の多い南部地域では道路が寸断され孤立集落が多数発生するとも想定されます。 大規模な災害において、被災地への迅速な救助活動や、大量の物資を効率的に輸送するためには、消防や警察の応援部隊が集結でき、水や食料をはじめとした支援物資を受け入れ、配送できる防災拠点が非常に重要な役割を担うと考えています。 こうした中、県が五條市において進められている大規模広域防災拠点については、昨年10月に関係者を招いての鍬入れなどをはじめとする事業開始式が開催されました。本格的な整備段階に進んでいることに、地元議員として大変感謝しております。 災害はいつ起こるか分かりません。1日でも早く、大規模広域防災拠点の整備を進めていただき、その防災機能が発現することを願っているところでございます。 そこで知事にお伺いいたします。 大規模広域防災拠点の整備の進捗状況と、今後の見通しについてお聞かせください。よろしくお願いいたします。 次に、国道168号新天辻トンネル工区の整備について、県土マネジメント部長にお伺いします。 国道168号は、地域の方々にとって、生活と安全を守る命の道であるとともに、観光面や物流など、地域の活性化を図る上でも欠かすことのできない幹線道路でございます。また、先ほど申し上げました南海トラフ巨大地震が発生した際の被災地域への迅速な救援や、復旧復興活動のための輸送路の確保といった防災面においても、国道168号を含む紀伊半島アンカールートを早期に整備することは重要であると考えております。 こうした中、紀伊半島アンカールートの一部として、五條市から和歌山県新宮市に至る国道168号五條新宮道路は、県内では全線が第一次緊急輸送道路に指定されました。地域高規格道路として、県では全線整備に向けて積極的に取り組んでいただいているところでございます。 その中でも特に、国道168号新天辻工区でございますが、平成30年度より事業が行われて、早期の供用開始を目指して鋭意事業を進めていただいていることに感謝を申し上げます。天辻峠の周辺は地形的に崩土や落石の危険性がある上に、峠の付近では標高650メートルを越え、冬には凍結、積雪といった気象面での交通障害も多く発生しています。 十津川村で旅館を営む方から、大雨が降れば常々、道路は大丈夫かと問合せがあります、キャンセルになることもある、との声を聞いております。 十津川村には、令和2年にオープンした空中の村をはじめ、瀞峡でのカヌーや川舟観光など、豊かな自然環境を生かした数多くの魅力がございます。新天辻工区の整備によって、十津川エリアへのアクセスが向上し、観光客が増えることによって地域が活性化することは、私が生まれ育った十津川村の未来の飛躍と発展につながるものと、私自身、大いに期待しているところでございます。 そこで県土マネジメント部長にお伺いします。 国道168号新天辻工区の整備について、現在の取組状況と今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。 最後に1点、要望を申し上げたいと思います。 これまで奈良県は、全国と比べて大学進学率が高い一方で、地元進学率が低い傾向にあり、県外への進学率は全国でもトップクラスと言われています。大学への進学を希望する多くの高校生が県外へ流出している状況です。 また、奈良県には奈良女子大学を除いては、文系・理系の幅広い運用を有する国公立の総合大学がございません。国公立では、奈良教育大学、奈良県立大学、奈良県立医科大学がございますが、いずれも単一の学問領域を教育・研究する単科大学であり、規模も含めて大きなものではございません。 単科大学には、専門領域に特化した教育環境整備や、特色ある教員組織の編成が可能になるなど、総合大学にはない長所もございますが、より横断的に様々な学問領域を学びたいと考えている学生にとっては、総合大学の方が魅力を感じるのではないでしょうか。学生の県外流出に歯止めをかけ、県内において多様な人材を育成し、県内に就職し活躍してもらうことが、奈良県の今後の発展につながるものではないかと考えます。 現在、知事が新設を進めておられる奈良県立工科大学とあわせて、県内の国立大学を国の管理のもとに1つに統合し、総合大学とすることが県内の高校生にとっても大きなメリットがあるのではないでしょうか。 今後は、県立工科大学の新設を進める中で、県内の国立大学、公立大学の総合大学化についても、ぜひご検討いただきたい旨をお願い申しまして、要望といたします。 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。どうも皆さん、ありがとうございました。(拍手) ○副議長(西川均) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)41番秋本議員のご質問にお答え申し上げます。 私に対しましては、五條市に設置予定の大規模広域防災拠点の整備の見通しについてでございます。 奈良県では、近い将来に発生が確実視されている、南海トラフ地震をはじめとする大規模な自然災害に備えまして、立地条件のよい五條市に優れた防災機能を有する大規模広域防災拠点の整備を進めているところでございます。 整備はⅠ期、Ⅱ期、Ⅲ期と段階的に進めることとしており、Ⅰ期では、現場内の切土・盛土による約5ヘクタールの平場を確保し、ヘリ離着陸のためのヘリパッドを設けたいと思っております。Ⅱ期では、600メートル級滑走路を整備するとともに、指令本部や備蓄倉庫などを整備したいと思っております。Ⅲ期では、リニア中央新幹線の建設工事に伴う発生土を活用して、固定翼機の運用が可能となる2,000メートル級滑走路を整備することとしております。 Ⅰ期・Ⅱ期整備に必要な、五條市阪合部地区におけるプレディアゴルフ場の土地につきまして、秋本議員にもお力添えをいただき、五條市の協力のもと、精力的に地元調整を進めてまいりました。その結果、地権者の皆様のご理解・ご協力を得て取得がかないました。ありがとうございました。昨年10月30日に現地で事業開始式を開催するまでに至りました。 現在、防災拠点としての早期効果発現を目指し、土砂搬入のための工事用道路の調査や設計などを、地元のご協力を得ながら鋭意進めているところでございます。また、準備工事の準備も進めており、今年度内にも契約できる見込みでございます。 さらに、来年度から造成工事に着手し、Ⅰ期整備は、令和7年度の完成を目指し、Ⅱ期整備は令和14年度の完成を目指したいと思います。併せて2,000メートル級滑走路の設置許可申請に向けた準備を進めてまいりたいと思います。このため、工事や用地取得、調査設計などの来年度所要額を当初予算案に計上させていただいております。 引き続き、地元の皆様や国のご協力を得て、五條市と緊密に連携し、大規模広域防災拠点の早期整備に向けた取組を進めていきたいと思います。ご質問ありがとうございました。 秋本議員には、これまで長年ご指導賜り、ありがとうございました。感謝を申し上げます。御所の産業ゾーンの建設もそうでございますが、五條市の、今申し上げました大規模広域防災拠点という南部地域発展の核になる施設の実現が可能となりました。喜んでおります。これまで苦労いたしました経緯を振り返りますと、夢のようなことでございます。2,000メートル級滑走路建設までしばらく時間が要りますので、秋本議員におかれましては、これからもご健康に留意され、五條の発展、また南部の発展を見ていただければとお願い申し上げる次第でございます。長年お世話になりまして、ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 清水県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(清水将之) (登壇)41番秋本議員から私に、国道168号新天辻工区の整備について、現在の取組状況と今後の見通しについてのご質問がございました。お答えいたします。 一般国道168号五條新宮道路は、京奈和自動車道と一体となって紀伊半島アンカールートを構成し、本県南部地域の地方創生や強靱化を推進する上で必要不可欠な幹線道路であり、物流のさらなる円滑化を図るため、昨年4月には重要物流道路に指定されています。 秋本議員お述べの新天辻工区は、五條新宮道路の中でも最も厳しい交通の難所の1つとなっています。そこで、五條市大塔町阪本から西吉野町阪巻までの約7.2キロメートルを平成30年度に事業化しました。 当該工区は、約5キロメートルの長大トンネルを含む3つのトンネルと3つの橋りょうで構成する構造物の多いバイパス道路計画でございます。これまでに、測量、地質調査や橋りょう・トンネルの構造設計を進めるとともに、令和2年度からは用地買収も進めています。 昨年11月からは、トンネル施工のための大型重機や資材等の搬入路を確保するため、主要地方道勢井宗川野線や五條市道を拡幅する工事に着手しています。 今後も引き続き、地元地域や地権者のご理解、ご協力を得ながら、早期に用地買収を完了するとともに、バイパス本体の道路工事に着手できるよう進めてまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(西川均) 41番秋本登志嗣議員。 ◆41番(秋本登志嗣) 私の質問に対しまして、知事、そして県土マネジメント部長、丁重にご答弁をいただきました。大変感謝申し上げます。ありがとうございます。 先ほど申し上げましたように、大規模防災拠点や国道168号天辻工区は、地元五條市をはじめ吉野郡の発展に大きく寄与するものでございますので、1日でも早く実現できますようにお願いを申し上げておきたいと思っております。 また、少子高齢化をはじめとして、県政の課題にはいろいろな問題がたくさんありますけれども、どうか課題の解決を、大変だろうと思いますが、理事者、また議会も、車の両輪のごとくになってしっかりと、県民のため、県の発展のために、ご貢献いただきますよう、よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。大変ありがとうございました。 ○副議長(西川均) しばらく休憩します。 △午後4時12分休憩    -------------------------------- △午後4時28分再開 ○議長(岩田国夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 次に、3番植村佳史議員に発言を許します。--3番植村佳史議員。(拍手) ◆3番(植村佳史) (登壇)議場の皆様、奈良テレビをご覧の皆様、こんにちは。奈良市・山辺郡選挙区選出の自由民主党、植村佳史でございます。議長のお許しをいただきましたので、既に通告しています数点について、荒井知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。 まず最初に、平城宮跡南側地区の公園整備について、知事にお伺いいたします。 荒井知事の強いリーダーシップにより、平成20年に国営公園化に成功されました。国によって、第一次大極殿や第一次大極殿院大極門、朱雀門が復元されるなど、平城宮跡歴史公園としての整備が進んでいることに、私は大変うれしく思っております。さらに、平城宮いざない館、歴史体験学習館も整備されるなど、観光・交流拠点としてポテンシャルが極めて高い場所となっております。 さて、県では、平城宮跡歴史公園南側地区整備計画(案)を取りまとめ、パブリックコメントを実施されましたが、その中で、子どもを安心して遊ばせられる公園にしてほしいと、そういった意見が多くありました。県北部、とりわけ奈良市内には、子育て世代が子どもを伸び伸び遊ばせられる公園が少なく、アクセス性にも優れた平城宮跡南側地区の公園整備にかかる期待は、大変大きいものがあります。 そこで、知事に伺います。 平城宮跡南側地区について、子育て世代が子ども連れでゆっくり楽しめる公園とするため、県は、今後どのように整備を進めていくのか、お聞かせください。 次に、新型コロナワクチン接種回数と死亡者数との因果関係について医療政策局長にお聞きします。 急激に増える奈良県の死亡者数について、昨年12月の総務警察委員会でも質問をいたしましたが、奈良県の年間死亡者数が、令和3年と令和4年において、急激に増加が進んでおります。お手元の資料1枚目のグラフをご参考ください。奈良県推計人口調査によると、平成29年から令和2年までは、年間死亡者数はおよそ毎年1万4,600人前後でありました。しかし、令和3年は1万5,553人と、前年に比べ867人増であります。さらに、令和4年の県内の死者数は、外国人を除いて1万7,184人となり、統計をとり始めた1947年以降で最多、すなわち戦後最多となりました。過去最多だった令和3年の1万5,553人から1,631人も増え、前年からの増加幅もこれまで最大となっております。本県において、大規模な災害や有事が発生していないことから、この2年間で大幅に死亡者が増加していることに大変懸念しております。 一方、ここ数年で、我が県で発生した災害といえば、令和2年1月に始まったコロナ禍の3年間でありますが、コロナが始まった令和2年は致死率も高かったのですが、超過死亡者数は増加しておりませんでした。そして、変わったことでいえば、令和3年4月から、新型コロナワクチンの1回目と2回目の接種が始まったことであります。その後、令和4年2月頃から3回目のブースター接種が始まりました。さらに、4回目接種が7月頃から始まり、そして11月頃から5回目の接種が始まりました。 2枚目の資料をご覧ください。このワクチンの接種回数は、デジタル庁ワクチン接種記録システム(VRS)で、全国の接種状況が毎日発表されており、奈良県のワクチン接種状況グラフを重ね合わせると、見事に、新型コロナワクチンの接種回数が上がった時期に比例して死亡者数も上がっています。このことに私は大変驚いているわけであります。 そこで、医療政策局長にお伺いします。 令和4年の本県の年間死亡者数が、戦後最多を更新した原因について、どのように考えているのか。また、新型コロナワクチン接種回数の増加と年間死亡者数の増加に因果関係はないのか。その点、お聞かせください。 最後に、新型コロナワクチン接種に関わる副反応状況と、健康被害救済制度の深刻な課題について、医療政策局長にお伺いします。 現在も国の方針で、新型コロナワクチンの5回目の接種が進められており、その効果に期待していると国は述べています。そして国は、ワクチン接種後に健康被害が発生した場合のために、救済制度を設けているとも述べておられます。 しかし、その制度となる予防接種健康被害救済制度、以下「救済制度」と申し上げます、これを現場の医療機関が認識していないことや、提出書類であるカルテの開示拒否、自力でカルテを取りに行けない方々への郵送での対応の拒否、カルテ開示に対する高額請求などが起こっていることから、その申請へのハードルが非常に高いものとなっており、健康被害者の方々が困惑し、救済制度申請を諦めざるを得ない状況になっていると聞き及んでいます。 さらに、実際の申請にあたっても様々な課題があり、例えば、救済制度の申請に必要となる受診証明書について医療機関に記載いただくのですが、記載内容が不十分なため、提出先の市町村から修正を指示される場合もあるように聞いております。その場合は、再度医療機関へ出向いて修正を依頼した上で市町村へ再提出することになるため、新型コロナワクチン接種後の健康被害に苦しんでいる方々にとって、大きな負担となっております。 そのようなことを背景に、先日は、この救済制度申請が健康被害者に寄り添った迅速な対応を求める陳情書が、奈良県知事と県議会議長宛てに出されました。 また国は、新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状について、その治療法を含め、必要な研究をしていくこととしており、2月15日付で、厚生労働省から各都道府県あてに、副反応を疑う症状により、専門的な医療機関で受診した方の実態調査への協力依頼が発出されるなど、今後、実態解明が進むことを大いに期待しております。 そこで、そのことに関して数点、医療政策局長にお聞きします。 1点目に、ワクチン接種後の県新型コロナワクチン副反応コールセンターを令和3年3月に全国の都道府県の中でも、極めて早くから設置していただいたことを評価いたしております。そこで、その相談件数、相談状況について、累計件数と1か月以上副反応が続いている方の相談件数についてお聞かせください。 2点目に、本県における予防接種後健康被害救済制度の申請及びその認定の状況についてお聞かせください。 3点目に、今回の陳情を受けて、重い症状に苦しむ方や症状が長期化している方々に対し、救済制度の申請に関して、よりきめ細かな支援が必要と考えますが、県はどのように取り組んでいるのかお聞かせください。 以上、壇上からの質問といたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩田国夫) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)3番植村議員のご質問がございました。私に対しましては、平城宮跡南側地区の公園整備の進め方、進捗でございます。 平城宮跡南側地区につきましては、平城宮跡歴史公園の玄関口、前庭にあたる地区だと思います。悠久の歴史を感じながら、憩いくつろいでいただける空間の創出を目指しております。 先月まで実施しておりました整備計画案に対するパブリックコメントにおきましては、幅広い年代の方々から、植村議員も申されましたような、子どもの遊び場や子どもが遊びながら歴史を学べる場所、また、飲食・休息施設など、これからの整備に期待を持っておられるご意見を多数いただきました。多くの方々に高い関心を持っていただいていることに、力強く思い、感謝をしたいと思っております。 現在、整備計画の取りまとめを行っている最中でございますが、類いまれな立地環境を生かしながら、平城京のスケールや往時の都の姿を子どもにも大人にも感じていただけるような工夫を凝らしてまいりたいと思います。 具体的なアイデアといたしましては、朱雀大路の再現整備や条坊道路等の遺構表示、歴史空間を楽しめる展望デッキの整備に加えまして、デジタル技術を活用した往時の空間の再現などにも取り組みたいと思います。また、子どもの遊具エリアや屋根付き広場、飲食施設も整備する予定でございます。 新年度には、この整備計画をもとに公園施設全体の設計に着手することといたしまして、この地区全体といたしましては、令和7年度の完成を目指したいと思っております。 植村議員お述べのように、国営公園になったことは大きいことでございました。あれだけの大きな事業は、国の圧倒的なご支援がないととてもできないと思います。しかし、現に平城宮跡があったということは大きな事実でございますし、世界のほかの地区でも、そのような地区はございませんので、これからも大事にしていきたいと思いますし、このような整備がこれから進むことをとても楽しみにしております。ご支援を引き続き賜りますように、お願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 平医療政策局長。 ◎医療政策局長(平夏来) (登壇)3番植村議員から、私には2つご質問いただきました。 まず1つ目は、年間死亡者数に関するお尋ねでございます。お答えさせていただきます。 植村議員お述べのとおり、全国、また奈良県における死亡者数が近年増加傾向にあり、本県の令和4年の死亡者数が戦後最多であったことは承知していますが、お尋ねの死亡者数の増加理由について、県では、分析可能な統計数値等を有しておらず、原因を明らかにすることは困難な状況です。 また、死亡者は、全国的にも増加傾向にありますが、国における全国統一的な分析においても、死亡者数が増えた要因の1つとして、「新型コロナウイルスの感染拡大の影響が指摘される」との見解にとどまっています。 死亡者数の増加に関しては、これまでも、国に対して原因の分析と開示をお願いしています。今後も機会を捉えて国に要望してまいります。 次に、ワクチン接種と死亡者数との因果関係については、現在、ワクチン接種後に生じた様々な症状について、国が継続して収集し、分析する仕組みが構築されており、定期的に安全性等が国において評価されているところです。 この国の評価によると、新型コロナワクチンの接種後に亡くなった方の報告はあったものの、ワクチン接種との因果関係があると判断された事例はないとされています。また、例年の死亡者数から推計された死亡者数より多くの方が亡くなる、いわゆる超過死亡については、国は、そのほかの研究等を踏まえ、ワクチン接種が原因で発生したという科学的根拠も確認されていないとしています。 県では、県民の皆様に、ワクチンの効果と安全性について十分ご理解の上、接種を受けていただけるように取り組むことは重要と考えています。そうしたことから、引き続き、国に対して、ワクチン接種に係る効果と安全性に関するエビデンスをさらに示していただくよう求めてまいります。 次に、2つ目は、新型コロナワクチン接種後の副反応と予防接種健康被害救済制度に関してのお尋ねをいただきました。 県新型コロナワクチン副反応コールセンターにおける副反応に関する相談件数は、開設した令和3年3月から令和4年12月までの累計で、延べ2万5,455件となっており、そのうち、接種後1か月以上経過した方からの相談は延べ810件となっています。 また、本県から国に対して行った新型コロナワクチンに係る健康被害救済制度の進達件数は、接種を開始した令和3年2月から令和5年2月21日現在で83件あり、そのうち11件が救済給付対象と認定され、残り72件はいまだ結果が示されていない状況です。 次に、ワクチン接種後の長引く症状を訴える方々に対して、県では様々な取組を行っています。 まず、副反応を診療する医療機関を協力医療機関等として整備しています。 また、県が設置している県新型コロナワクチン副反応コールセンターでは、症状が長期化している方々の相談に対し、丁寧に症状を伺い、協力医療機関等につなぐなどの対応を行っています。 さらに、様々な医療関係者が会する会議等において、長引く症状で悩んでいる方々の情報を適宜共有した上で、適切にご対応いただくよう依頼しています。 なお、新型コロナワクチンに対応した健康被害救済制度に関する相談については、これまでも県新型コロナワクチン副反応コールセンターで対応してきたところですが、植村議員お述べの、令和5年2月7日に県民の方から知事宛てに提出された陳情書も踏まえて、今後は、県新型コロナワクチン副反応コールセンターの役割として明確に位置づけることとしました。 また、制度を利用しようとする方がお困りにならないように、申請に必要となる書類に関する記載マニュアルを作成し、関係機関等に配付したところです。 今後も、県新型コロナワクチン副反応コールセンターに寄せられたご意見等も踏まえながら、健康被害救済制度を利用する県民の方が、迅速に救済を受けることができるよう、引き続き、県として関係機関と連携し、取り組んでまいりたいと考えています。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 3番植村佳史議員。 ◆3番(植村佳史) ご答弁ありがとうございました。それでは、再質問を簡単に、確認で質問させていただきたいと思うのですけれども。 この、特に死亡者数が増えていることに関して、先ほどのグラフでは、令和4年度の数字が出ていましたけれども、令和5年の今年の1月、今月は、何人ぐらい亡くなられたかお分かりでしたらお答えください。 ○議長(岩田国夫) 平医療政策局長。 ◎医療政策局長(平夏来) ご質問いただきました。令和5年1月中の奈良県の人口のうち死亡された方ということでお答えさせていただきます。 奈良県推計人口調査に基づいたものとなりますけれども、死亡者数は、1,838人ということでございます。以上でございます。 ○議長(岩田国夫) 3番植村佳史議員。 ◆3番(植村佳史) ありがとうございました。 1,838人ということでございますので、これも最多ということになるのであろうと思います。先ほどの答弁では、現在、国の方にも原因調査を要望していただいているということでございますので、そういった答えを待ちたいとは思うわけですけれども、この新型コロナウイルス感染症の死亡者数、新型コロナウイルス感染症も関係しているであろうかと思います。3年間で、新型コロナウイルス感染症で奈良県においては、839人が亡くなっておられます。しかし奈良県は、死亡の峻別報告を当初からしていただいておりましたので、そのうち、直接新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方は446人というのが最新であるということで日々報告していただいているので、非常に分かりやすいわけです。そう考えてみますと、統計上、令和3年で新型コロナウイルス感染症死亡とされたのが125人ということになるわけですけれども、令和2年に比べて増加した人数をこのグラフから計算すると867人ということになっております。ですから867人のうち、新型コロナウイルス感染症による死亡者は125人ということになるわけです。しかし、実際にはそれの4割ぐらいであったろうという、6割ぐらいが実際に亡くなっておられた方だろうと推計します。 また、令和4年を見てみますと、死亡者数の増加が1,631人ということになっております。そして、新型コロナウイルス感染症の統計上の亡くなられた方は521人。これは主にオミクロン株になってからの話になるわけですけれども、峻別報告からすると、大体そのうちの40%ぐらいになっていると思いますから、この1,631人のうち、実際に新型コロナウイルス感染症で亡くなられたのが200人前後なのだろうということを見るわけです。 こういったことを見ますと、直接新型コロナウイルス感染症の影響がどれだけあったのかというのが、今後の調査の結果になってくると思いますけれども、ワクチン接種との関係性というのも、今後、国も調査をするということですから、その辺は、今後、非常に期待したいと思うのです。いずれにしろ本県でこれだけ多くの方々が、戦後最多の方々が、災害があったわけではないのに亡くなっておられるということですから、ぜひ原因調査をしていかなければいけないと思います。これは意見とさせておいていただきたいと思います。 一方、平城宮跡南側地区の公園整備については、ぜひ知事、子育て世代の親子が、安心して伸び伸びとゆっくりと楽しんで遊べる公園整備をお願いしておきたいと思います。子どもの頃の楽しい思い出というのは、将来にわたって潜在意識に残り、大人になっても、平城宮跡が楽しい場所として、また遊びに行きたいと、そして、大人になって子どもが生まれたら、またそういったところに楽しみに行きたいと、こういったことにつながると思います。また、この平城宮跡の歴史についても、その深い関心が子どもたちにも芽生え、1300年の歴史に誇りを持って育つというか、大人になっていくんだろうと思いますと、また愛着感がどんどん出てきます。ぜひ、眺望を配慮しながらではありますが、子どもが遊べるような安全な遊具などの設置もご検討をぜひお願いしておきたいと、これは要望にさせていただきたいと思います。 先ほどの、戦後最多の死亡者数についても、もう少し意見を言っておきたいと思うのですが、先ほどの1月の死亡者数が1,838人ということですから、これ、前年と比べると112%ということになっております。単月では過去最高となっていると思うわけですけれども、これ、原因不明では、やはり済まされないと思います。ぜひ、国に要望するとともに、市町村の自治体とも連携しながら、この死亡者数の激増の原因調査をしっかりとやっていただきたいと、原因究明について取り組んでいただきたいと思います。 最後に、このワクチン接種健康被害救済制度については、政府に認定の調査を急ぐように、要請していただきますようにお願いしておきたいと思います。恐らく、先ほどお聞きしましたけれど、1か月以上経過した方からの県新型コロナワクチン副反応コールセンターへの相談件数は、延べ810件ということでありました。長期にわたる副反応に苦しむ方々の相談件数を考えると、健康被害救済制度申請者が83件というのは少ないのではないのか、少な過ぎるのと違うかと思います。また、既に2年近く過ぎているにもかかわらずこの国の審査も、83件のうち11件しか認定されていない。未了が72件というのは、あまりにも遅過ぎると、そのように思います。その間も、県民は、苦しんでおられますので、ぜひ要望を強く言っていただきたいと思います。 この新型コロナウイルス感染症拡大防止に協力をいただいて、ワクチン接種後に健康被害を受けた方々を救済していくのは、やはり国や行政の役目でもあると思います。今後、引き続き、医療施設に救済制度申請についての協力を徹底していただくとともに、繰り返し申し上げますが、国に対して、健康被害救済制度の審査を迅速に進めるように強く働きかけていただきますように要望いたして、質問を終わらせていただきます。 以上ありがとうございました。(拍手)   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) 5番山中益敏議員。 ◆5番(山中益敏) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。 ○議長(岩田国夫) お諮りします。 5番山中益敏議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○議長(岩田国夫) それでは、さように決し、明、3月1日の日程は、当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後4時59分散会...